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太陽光発電設備を売却する際に気をつけるべきポイント

更新日:2021.09.30

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投資を目的として太陽光発電設備を導入する一般家庭や企業、団体が増えていますが、さまざまな事情・理由によって手放すケースも少なくありません。

実は太陽光発電設備も住宅や建物と同じように、中古物件として売買することも可能なことをご存知でしょうか。
固定価格買取制度の終了に伴い、太陽光発電設備を手放すことを検討している方もいるかもしれませんが、中古物件として売却する場合、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。

今回は太陽光発電設備を高く売却するポイントや、売却時の注意点も含めて詳しく解説します。

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太陽光発電設備の売却方法

はじめに、基本知識として押さえておきたいのが、太陽光発電設備を売却するには「買取」と「仲介」の2つの方法があるということです。

両者はどのような違いがあるのか詳しく見ていきましょう。

買取業者への販売

太陽光パネル

買取とは、買取業者が太陽光発電設備を買い取ったうえで、その後第三者へ販売するというものです。
買い取ってくれる次のオーナーが現れなくても、一旦業者へ販売することになるため、即座に現金化できるのがメリットといえるでしょう。

しかし、買取業者は必ずしも太陽光発電設備に関して専門的な知見を有しているとは限らず、場合によっては取引相場価格の半値以下の買取価格を提示されることもあります。


次の売り手が決まっていないということは、業者にとっては在庫のように抱えてしまうことになるため、一般的に買取価格が安くなってしまうことは仕方ないことでもあります。

そのため、「買取価格は安くなっても構わないので、できるだけ早急に現金化したい」というオーナーには買取が最適といえるでしょう。

仲介業者を通した販売

仲介とは、業者を通して買取先を探し、次のオーナーが見つかった時点で販売するという方法です。
買取の場合は次のオーナーが見つからなくても即座に現金化できますが、仲介の場合は買い手が見つからない限りは売買が成立しないため、それまで現金が入ってきません。

一方、仲介は買取に比べて買取価格が高く、適正価格で売却できるメリットがあります。
また、個人売買ではなくあくまでも仲介業者が間に入るため、名義変更などの面倒な手続きも代行してくれるメリットもあります。

このように、「現金化は急がないので、あくまでも適正価格で売却したい」というオーナーには仲介が最適といえるでしょう。

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太陽光発電設備を高く売却するポイント

太陽光発電設備を売却するにあたって、できるだけ高値で売りたいと考えるのはオーナーにとって当然のことです。実は、ちょっとしたポイントを押さえておくだけで太陽光発電設備は高額査定に結びつくことがあります。
今回は特に重要な3つのポイントを紹介しましょう。

太陽光発電

こまめなメンテナンス

屋外に設置する太陽光発電は、メンテナンスを怠っていると設備の周辺に雑草や樹木が生い茂ったり、鳥や動物の糞、ゴミなどが散乱したりして荒れた状態になってしまいます。

査定のために太陽光発電設備を訪れた際、設備とその周辺が荒れ放題になっていると、査定の担当者は「適切なメンテナンスがされてこなかった物件なのではないか」と不信感を抱くことでしょう。

また、メンテナンスが行き届いていないことで発電効率が悪くなったり、設備そのものが故障しているケースもあります。

設備周辺がフェンスや柵で囲われていたり、防草シートなどで雑草対策がなされている物件は査定担当者に対する心象も良く、高額査定に結びつきやすい傾向があります。

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複数の業者へ査定してもらう

買取業者へ依頼する場合には、必ず複数の業者へ査定を依頼することが重要です。

業者のなかには太陽光発電設備に関する専門的な知見をもっていないところも多く、依頼した業者によって査定額が大幅に異なるケースも少なくありません。

万が一、買取を依頼した業者が相場よりも大幅に低い見積もりを出していた場合には、売買契約成立後は条件を変更できないため十分な注意が必要です。

また、仲介業者を通して売却する場合であっても、買取相場を提示しオーナーとの希望額と調整しながら価格を決めていくケースが多いです。

このとき、仲介業者によっても提示する買取相場が異なることがあるため、やはり複数の業者へ査定してもらうことは重要といえるでしょう。

 

第三者からの評価を受ける

「太陽光発電設備をこまめにメンテナンスしてきました」と申告しても、買取業者にとってはそれが本当なのか、設備に不具合や故障がないのかまでは詳しく判断することが難しいものです。

そこで、設備の状態について第三者からの評価を受けるという方法があります。
一般財団法人電気安全環境研究所では、「JET太陽光発電システム保守点検認証(JET PV O&M認証)」を実施しており、厳格に定められたガイドラインによって太陽光発電設備に異常や故障がないかを診断し報告書を発行します。

これにより、少なくとも次のオーナーへ売却した時点で現在の設備をそのまま稼働できることの証明になり、査定においても有利に働く可能性があるでしょう。

太陽光発電設備を売却する際の注意点

太陽光発電設備を実際に売却する際、トラブルを防止するためにもいくつか注意しておかなければならないポイントがあります。こちらも特に重要な3つのポイントに分けて解説しましょう。

計算

確定申告をしなければならない

太陽光発電設備の売却によって得た利益は「譲渡所得」とみなされるため、確定申告をおこわなければなりません。
たとえば、会社員や公務員の場合、企業側で年末調整を行うため本来であれば確定申告をおこなう必要はありません。

しかし、太陽光発電設備の売却によって一時的に利益を得た場合、給与や賞与といった所得以外に不動産売買による利益を得たことになるため、確定申告をおこない所得税を納める必要があるのです。

なお、納付する所得税は以下の式に当てはめて計算します。

収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額=課税譲渡所得金額

長期譲渡所得(5年以上にわたって所有していた場合):課税長期譲渡所得金額×15%=所得税額

短期譲渡所得(5年以下にわたって所有していた場合):課税長期譲渡所得金額×30%=所得税額

名義変更に時間を要する

太陽光発電設備の売買・譲渡にあたっては、名義を新オーナーへ変更しなければなりません。

名義変更の手続きには登記簿などを含むさまざまな書類を用意しなければならないほか、法務局への申請にあたっても時間を要します。

買取事業者や仲介業者を介しても最短で1か月、最長で半年程度かかることが多く、期間に余裕をもって申請をする必要があります。

個人間での取引には応じない

仲介業者を介すことで適正価格での売買や面倒な手続きを代行してくれるメリットがありますが、その一方で仲介手数料として一定割合の費用を支払わなくてはなりません。


これを節約するために、仲介業者を介すことなく当事者同士で売買契約を進めようと考えるオーナーも存在しますが、極力避けたほうが良いでしょう。

名義変更にはさまざまな必要書類が求められるほか、不備があると手続きが滞ってしまいます。また、売買にあたって正式な契約書を交わしておらず、口約束のような形で進めてしまうとトラブルに発展するケースもあるためです。

太陽光発電設備の売買は信頼できる業者へ依頼しよう

契約

今回紹介してきたように、太陽光発電設備を売却する際にはニーズに応じて買取と仲介という2つの方法から選択できます。

また、こまめなメンテナンスや複数業者へ査定を依頼するなど、同じ物件であっても工夫次第で高額査定に結びつくことも少なくありません。

確定申告や名義変更など、面倒な手続きや申請も多いため、信頼できる買取業者または仲介業者を探し依頼することが何よりも重要です。