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自家消費型太陽光発電の需要が今後上昇する4つの理由

更新日:2021.08.20

太陽光の将来

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太陽光の将来

自家消費型太陽光発電の需要が今後上昇する4つの理由

太陽光発電は大きく分けて「投資型太陽光発電」と「自家消費型太陽光発電」の2種類が存在します。

次世代のエネルギーとして注目されている太陽光発電ですが、FIT制度(固定価格買取制度)の終了に伴い、今後需要は低下していくのではないかといった懸念が指摘されています。

しかし、結論から言えば、今後は自家消費型太陽光発電の需要がさらに向上する可能性が高いです。

なぜそのようなことが言えるのか、今回の記事では自家消費型太陽光発電の需要が上がる理由や根拠について、3つのポイントに分けて詳しく解説します。

国のエネルギー政策で高い目標が掲げられている

 

自家消費型太陽光発電の需要が上がる理由として、もっとも重要なポイントが国が掲げているエネルギー政策です。

2021年7月、経済産業省は「エネルギー基本計画」の見直しに向けた素案を発表しました。

それによると、電源に占める再生可能エネルギーの比率を2030年度の時点で36〜38%程度まで引き上げることが検討されています。

ちなみに、2019年度の時点では石炭が32%、天然ガスが37%程度となっており、石油なども含めると電源の70%以上が化石燃料によって構成されていることが分かります。

これを2030年度には40%程度にまで引き下げ、その代わりに太陽光や水力、風力といった自然エネルギー、および原子力も含めた非化石燃料を電源の主力にすることが検討されているのです。

自然エネルギーの中でも太陽光発電は比較的導入がしやすく、太陽光パネルの価格も下がっているため特に注目されています。

また、一部では「一般住宅への太陽光発電システムの設置義務化」も検討されています。

法律によって義務化の対象となるとさまざまな問題や賛否が出てくる可能性があるため、本当に実現されるかどうかは不透明な状況ですが、少なくともそれだけ多くの国民が次世代の電源として注目していることは事実であるといえるでしょう。

https://www.jiji.com/jc/v4?id=202104kint0001

ランニングコストの削減につながる

2つ目の理由として挙げられるのが、ランニングコスト(電気代)の削減です。

自家消費を前提として太陽光パネルを設置するのであれば、当然のことながら毎月の電気代を大幅に節約できます。太陽光発電システムの設置費用は、システム容量や屋根の面積によっても相場は異なりますが、およそ100〜200万円程度がほとんどです。

仮に150万円の設置費用がかかった場合、毎月1万円の電気代がかかっている小規模なオフィスや住宅であれば、13年程度で元がとれる計算になります。

太陽光パネルの耐用年数は17年と定められているため、定期的にシステムの改修や入れ替えを行ったとしても費用が高くつくリスクは小さいと考えられるでしょう。

BCP対策が企業に求められている

2011年に発生した東日本大震災以降、日本のビジネス業界では「BCP(事業継続計画)」が注目されるようになり、実際に多くの企業でBCP対策に取り組むケースが増えてきました。

災害やテロなどの有事が発生した際、自社で働く社員の命を守るとともに、企業として生き残っていくためにライフラインや通信手段の確保は極めて重要です。

電力会社からの電気の供給がストップした場合、会社の機能は麻痺し事業が継続できなくなるケースもあるでしょう。

そこで、万が一の際にも安定的に電力を確保するため、BCP対策の一環として自家消費型太陽光発電システムの導入は有効な方法といえます。

ちなみに、BCP対策では非常用電源の確保を目的として、発電機を使用するケースもあるでしょう。

 

しかし、発電機は化石燃料を使用しなければならず、発電量も限られているため電気を供給できる範囲は広くありません。

発電機だけに頼るのではなく、自家消費型太陽光発電システムなど複数の電源を確保しておくことがBCP対策において極めて重要です。

企業イメージの向上につながる

近年、SDGsという言葉が広く一般社会へ浸透したこともあり、企業に対しては持続可能な社会の実現に向けた取り組みが求められるようになりました。

中でも環境問題に対する取り組みは注目度が高く、今や企業は「自社の利益ばかりを優先していれば良い」という姿勢ではなく、社会的責任も同時に果たしていかなければなりません。

日本における電力消費量のうち、一般家庭が占める割合はわずか3割程度で、残りの7割は産業向けで構成されています。

そのため、業種を問わずあらゆる産業が自家消費型太陽光発電を導入することで、環境負荷が大幅に軽減されることになるでしょう。

「1社だけが取り組んでも効果は変わらない」と考えがちですが、地道な取り組みが顧客や取引先に対して影響を与えることも考えられます。

また、社屋や自社の工場などに自家消費型太陽光発電システムを導入することで、環境問題へ積極的に取り組んでいる企業というポジティブな印象を与え、企業イメージの工場につながる可能性もあります。

自家消費型太陽光発電の需要は今後向上していくと考えられる

「太陽光発電は導入コストがかかり、元がとれない」「FIT制度が終了した後は急速に需要が下がる」など、ネガティブな意見があることも事実です。

しかし、今回紹介してきたように、国が掲げている政策やビジネス業界における動向を客観的に俯瞰して見てみると、今後は太陽光発電の需要が低下するどころかますます上昇していく可能性は高いといえます。

自家消費型太陽光発電は、BCP対策や経費削減など、企業が抱えるさまざまな課題に対しても解決策が見いだせると期待できるため、ぜひ参考にしてみてください。