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太陽光発電の中古市場(セカンダリー)はお得?

更新日:2021.05.18

中古市場

中古市場

世の中にはたくさんの投資方法がありますが、その中でも注目を集めているのが太陽光発電投資です。太陽光から電気を発電することによって収益を得ます。太陽光発電投資をするためには、発電の設備を整えていかなければなりません。

新規で設置するという手段もありますが、今後重視されるのは太陽光発電の中古物件の購入です。なぜ、中古市場の需要が高まっているのでしょうか。

太陽光発電の中古市場(セカンダリー)とは

太陽光発電の中古市場(セカンダリー)とは、既に設置された太陽光発電を使った投資を指します。誰かが投資目的で太陽光発電を設置したものの、節税等の理由からその物件を手放す場合があります。

使わなくなった物件が売却処分され、新たな投資家の手に渡ることでこのような市場ができ上がるのです。当然、売買にかかる費用は大幅に抑えられます。その他にも、中古市場を利用した太陽光発電には、いくつかのメリットが挙げられます。

そのメリットの1つが、これまでの発電実績からどの程度の収益を得られるか把握しやすいという点です。中古の物件であるため、以前使っていた人がどの程度の電気を得られていたのかを確認できます。新規の太陽光発電所を購入する際は日射量などから、どのくらい発電するのかをシミュレーションする必要があります。

そのシミュレーションが正しいかどうかも実際に売電開始してからでないとわかりません。投資は、なるべくその先のことを確認してリスクを下げなければなりません。特に、設備を購入するとなると多額の費用がかかるので、あらかじめ発電実績を調べておくことは非常に重要です。また、新設する設備ではないため、新規購入と比べて時間も節約できます。

購入時から投資を進めていきたい人にとっては、中古物件での運用も考慮すべきだといえるでしょう。ただし、中古市場で購入した太陽光発電は、劣化が進んでいるという事態も考えられます。劣化している部分を直さなければ、太陽光を上手く受光できなくなる恐れがあるのです。

そのため、中古物件ではリフォームやメンテナンスも視野に入れておかなければなりません。そこにかかる費用はしっかりと計算するようにしましょう。加えて、売却時にはさらに値段が下がることも考えられます。将来にどう活用していくかを踏まえた上で、購入を検討すべきだといえます。

その他記事:太陽光発電設備の中古物件のメリットとデメリットを徹底比較

 

低圧全量売電の廃止が中古発電所の価値を上げる

さらに、太陽光発電の中古市場の価値を高めたのが、低圧全量売電の廃止です。この制度は2020年からスタートしました。太陽光発電にも電圧によって何種類か区分が設けられます。その区分で販売方法も変わるのですが、50kW未満の低圧な電気は売却することができなくなりました。

もし、50kW未満で電気を売るには、地域活用要件を全て満たさなければなりません。要件は、自家消費率が30%以上で災害時にも電源として利用できることです。災害時の要件は、10年間の一時転用が認められれば免除されます。基本的に投資家は50kW以上の発電をしなければならず、これから投資をする者には大きな壁ともなっています。

そこで役に立つのが中古発電所です。

FIT価格の条件と同様になりますが、この低圧全量売電の廃止もまた、既に稼動していれば当時の価格で売却ができます。

法改正前に認定を受けている発電所であれば、そこから20年間は従来の売却手段が適用されるのです。繰り返しにはなりますが、前の持ち主が物件を手放すのは税金対策といった事情にあります。

そういった事情であれば、手に入れた発電所も問題なく稼動できる場合が極めて多いです。新たに太陽光発電の設備を購入するよりも、認定を受けた中古品を手に入れた方が手続きも大きく省けます。このように、中古購入はコストパフォーマンスが優れているのです。

その他記事:中小企業の太陽光発電導入で利用できる税制

太陽光発電は中古案件を視野に入るべき

太陽光投資の業界は、法改正によって大きな変化をもたらしつつあります。これまで、太陽光発電の新規購入はそこまで問題はなかったのですが、FIT価格の低下や低圧全量売電の廃止に伴って中古市場のメリットが大きくなっています。

こういった諸々の変化には敏感にならなければなりません。特に物件が次々と売られていく中、これらを改めて買い直す手段が今後もさらに普及されていくでしょう。中古市場を事細かく調べて既存の設備を購入した方が、スムーズに投資の準備も進められるようになります。

しかし、このような流れも時代とともに変化していくので、両者の購入は併せて視野に入れておいた方がいいです。太陽光投資において、現在ではFIT制度も廃止されて余剰発電の売買が行われています。太陽光投資がまだ注目されていなかった頃は、電気もある程度の値段で買い取られていました。

そこから次第に太陽光投資の人気が高くなり、価格の低下が続くようになります。確かに新規で購入すれば、目に見えない欠陥が悩みを引き起こすことはないかもしれません。

今後の税金

ただ、今後太陽光発電を使って投資しても税金が発生します。減価償却費を防ごうと節税するために、その設備を手放すのであれば新規も中古も特に変わらなくなります。

投資をするのであれば、社会状況と自身の経済状況を見比べていく目が必要不可欠です。新規購入という概念にとらわれすぎないよう気をつけていきましょう。

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