トラブル
家庭用であれ、産業用であれ、太陽光発電をしている個人や法人は、国に対する「定期報告」が必要です。
定期報告を怠ると、経済産業大臣から指導が入り、最悪の場合はFIT認定を取り消される可能性もあるので、必ず行うようにしましょう。
不安に感じるかもしれませんが、太陽光発電の定期報告は、そう難しいものではありません。
この記事を参考にすれば、簡単に定期報告ができるはずです。
今回は、太陽光発電の定期報告の内容や期限、対象となる設備から、定期報告のやり方についてまで説明していきます。
目次
FIT認定を受けた個人や事業者は、経済産業大臣宛てに、太陽光発電にかかった費用について、定期的に報告するよう義務付けられています。
これが、太陽光発電の定期報告です。
太陽光発電の定期報告には、以下の3種類があります。
種類 | 報告内容 |
設置費用報告 | 設備の設置にかかった費用 |
運転費用報告 | ランニングコストでかかった費用 |
増設費用報告 | 増設にかかった費用 |
「設置費用報告」は、太陽光発電設備を新規に設置した際に、1度だけ行う報告です。
発電設備の購入費用だけでなく、工事費用や土地の造成費用、電力会社との連系にかかった費用なども、設置費用に含まれます。
「運転費用報告」では、太陽光発電のランニングコストの報告を、毎年1回行います。
運転費用は、土地の賃貸料や修繕費、固定資産税や保険料などの必要経費です。
「増設費用報告」は、太陽光発電設備を増設した場合に、1度だけ行います。
設備を増設しない場合は、報告の必要はありません。
いずれも、定期報告をする際は、領収書など、費用が書かれた書類を手元に用意しておきましょう。
太陽光発電の定期報告の対象となる設備は、以下のとおりです。
画像出典:経済産業省 資源エネルギー庁「費用の定期報告」
補足として、10kW未満の設備で、「太陽光発電普及拡大センター(J-PEC)」から補助金を受けている場合は、設置費用報告は不要です。
定期報告の期限は、報告の種類によって異なります。
設置費用報告については、発電設備の稼働を開始した日から1カ月以内。
増設費用報告については、設備を増設し、増加した出力で運転を再開した日から1カ月以内です。
運転費用報告は毎年行うものですが、最初の報告は、発電設備の稼働を開始した月の翌年同月から翌月末までの間に行います。このとき、報告する費用は、稼働を開始した日から、その前日までの1年間分です。
例えば、稼働開始日が2020年4月1日の場合は、以下のようになります。
稼働開始日 | 2020年4月1日 |
初回の報告期間 | 2021年4月~5月末まで |
報告する費用の期間 | 2020年4月1日~2021年3月31日までの分を報告 |
2回目以降は、初回と同じ報告期間に毎年、運転費用報告を行います。
上記の例の場合は、毎年4月~5月末までです。
定期報告の方法は、以下2種類あります。
ここでは、それぞれの報告方法について、説明していきます。
資源エネルギー庁の「再生可能エネルギー電子申請」にアクセスして、ログインすることで、定期報告の電子申請ができます。
ログインするには、新規ユーザー登録が必要です。
ユーザー登録の方法については、「操作マニュアル 【新規ユーザー登録】」に、画像付きで詳しく掲載されています。
定期報告を郵送で行う場合、規定の書類に必要事項を記入して、一般社団法人の「太陽光発電協会 JPEA代行申請センター」宛てに送ります。
以下のリンク先に、記入様式が用意されているので、ダウンロードして印刷しましょう。
上記の記入様式は、どの種類の定期報告にも使用できます。
記入様式のダウンロードや印刷ができない場合は、JPEA代行申請センターにその旨を郵送することで、自宅に記入様式を郵送してもらえます。
この場合、紙に手書きで、以下の情報を記載しましょう。
※鉛筆での記載はNG
上記の情報を記載した紙と、140円分の切手を封筒に入れ、封筒の表面に「定期報告様式送付依頼」と記載して、郵送しましょう。
JPEA代行申請センターの宛先と連絡先は、以下のとおりです。
画像出典:経済産業省 資源エネルギー庁「費用の定期報告」
不備がなければ、後日、定期報告の記入様式が自宅に送られてきます。
電子申請での入力方法と、郵送の場合の記入例はそれぞれ、資源エネルギー庁で詳しい解説が用意されています。
ここでは、定期報告の種類ごとに、資源エネルギー庁が解説した、入力方法や記入例のリンクを紹介していきます。
設置費用報告の入力方法と記入例、それぞれのリンク先は、以下のとおりです。
10kW未満 | 10kW以上 | |
電子申請 | 【定期報告:太陽光 10kW 未満 】 (9ページ~) | 【定期報告:太陽光 10kW 以上 】 (11ページ~) |
郵送 | (記入例)10kW未満・設置費用報告 | (記入例)10kW以上・設置費用報告 |
設備の容量が10kW未満か10kW以上か、報告方法が電子申請か郵送かで、それぞれリンク先が異なるので、該当するものをクリックして参照してください。
設置費用報告の入力方法と記入例のリンク先は、以下のとおりです。
10kW未満 | 10kW以上 | |
電子申請 | ( 9~12ページ/27ページ~) | (11~14ページ/33ページ~) |
郵送 | ― | (記入例)10kW以上・運転費用報告 |
10kW未満の太陽光発電設備については、郵送での記入例が用意されていません。
電子申請も郵送も、記入する内容は同じなので、郵送の場合も、電子申請の入力方法を参考にするといいでしょう。
増設費用報告の入力方法と記入例のリンク先は、以下のとおりです。
10kW未満 | 10kW以上 | |
電子申請 | ― | (11~14ページ/51ページ~) |
郵送 | ― | (記入例)10kW以上・増設費用報告 |
10kW未満 | 10kW以上 | |
電子 申請 | ― | (11~14ページ/51ページ~) |
郵送 | ― | (記入例)10kW以上・増設費用報告 |
10kW未満の場合、増設後に10kW以上にならない場合は、増設費用報告は必要ありません。
太陽光発電を行う以上、FIT認定を取り消されないためにも、定期報告は欠かせません。
面倒に思う方も多いでしょうが、資源エネルギー庁では、画像付きの詳しい入力方法や記入例も用意されています。
これらを参考にして、期限に遅れないように、必ず定期報告を行いましょう。
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