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工場や倉庫に自家消費型太陽光発電を導入するまでの流れは?費用の目安も解説

更新日:2021.06.22

SDGs・脱炭素

SDGs・脱炭素

工場や倉庫などの大規模施設では、日々大量の電力を使用しています。

 

日本国内に限らず、世界中の企業に対して環境問題への配慮が求められSDGsへの取り組みが注目されている中、製造業をはじめとした多くの業種においてクリーンなエネルギーを活用することは重要な経営課題でもあります。

 

そこで、現在多くの企業で採用されているのが、太陽光パネルによる発電システムです。

今回の記事では、工場や倉庫に自家消費型太陽光発電を導入する場合、設置までにどのような工程を経る必要があるのか、設置費用はどの程度かかるのかも含めて詳しく解説します。

1.自家消費型太陽光発電の導入プロセス

太陽光発電システムを導入する際には、主に設置工事までの準備と、設置工事から完成までの2つのプロセスに分けて考えることができます。

まずは、導入の検討から設置工事までの間にどのようなプロセスがあるのか、今回は3つの工程に分けて紹介します。

1-1.設置場所の確認

一口に太陽光パネルといっても、大きさや形状によって発電容量は異なります。

特に、工場や倉庫など大規模な施設になればなるほど消費電力も大きいことから、必要な電力が供給できる最適な設置場所を検討する必要があります。

太陽光パネルの設置箇所は、主に屋根の上もしくは地上に分けられていますが、必ずしもどのような屋根・土地でも設置できるとは限りません。

例えば、屋根に設置する際には、素材や形状、耐荷重なども綿密に計算しなければなりません。

また地上に設置する場合にも、時間帯によって日当たりは十分確保できるか、地盤の強さや土地の傾斜なども考慮する必要があるでしょう。

太陽光パネル設置場所の確認には専門的な知識を要するため、まずは業者に依頼し、敷地内や建物内を担当者に見てもらうことが必須です。

1-2.設置プランの作成・提案・見積もり

業者による設置場所の確認が完了すると、それらのデータをもとに業者側で太陽光パネルの設置プランを作成し、顧客へ提案します。

設置場所が複数存在する場合には、それぞれのパターンに対応した設置プランを作成してもらうのも良いでしょう。

また、設置する際の工法によってもコストは大きく変わるケースがあるため、複数のプランを出してもらいその中から検討するのもおすすめです。

設置プランを検討する際には、どの程度の電力が発電できるのか、それによって従来と比べてどの程度の電力コスト削減につながるのかも含めて検討しましょう。

1-3.事業計画認定

自社で発電した電力を、電力会社へ売る(売電)ことを検討している企業も多いと思います。

そのような場合、単に太陽光パネルを設置しただけで売電に対応はできず、事前に「事業計画認定」という手続きを進めておく必要があります。

この手続きは、発電のための設備が法令に適合したものかを経済産業省が認定するもので、事業計画認定が降りなければ電力会社との売買契約を成立させることができません。

ちなみに、発電容量が50kW未満と50kW以上の場合では申請方法や手順が異なるため、事業計画認定の手続きも含めて専門の業者と確認しておきましょう。

 

2.自家消費型太陽光発電の設置工事プロセス

次に、導入までのプロセスが完了した後の設置工事の流れについて詳しく紹介します。

設置工事は取り付け場所や規模など、現場によってもさまざまなパターンがありますが、今回はベーシックな流れに沿って6つの工程を解説しましょう。

① 配管工事

太陽光パネルから電力を供給する現場まで、電源ケーブルを埋設するための配管を埋設します。

地中には大きな圧力がかかるほか、地震などによる耐衝撃性も考慮して埋設しなければなりません。

配管を埋設するルートは現場によっても多少異なりますが、メンテナンス性なども考慮すると既存の道路に沿って埋設する方法が一般的です。

② 周辺機器の設置

太陽光発電の設備には太陽光パネル以外にも、キュービクルやパワーコンディショナーなどの周辺機器も併せて設置するのが一般的です。

キュービクルとは電圧を変換するための設備で、変電設備ともよばれます。

発電設備内への小動物などの侵入による感電や停電を防ぎ、安全に電力を利用するために必須設備です。

また、パワーコンディショナーとは太陽光パネルで発電した電力を直流の電力から交流の電力へ変換するための機器です。

通常、太陽光パネルから発電された電力は直流で送電されるのですが、直流のままでは工場や倉庫といった施設内で利用はできません。

パワーコンディショナーを使用することにより、交流電力へ変換され安全かつ効果的・効率的に電力を利用できるのです。

③ 架台の設置

配管の埋設工事や周辺機器の設置が完了したら、太陽光パネルの設置準備に取り掛かります。

太陽光パネルを設置するための台は『架台』と呼ばれています。この架台を屋根や土地の形状、傾きなどに合わせて取り付け位置を調整し設置します。

太陽光パネルを屋根に設置する場合と地上に設置する場合とでは選ぶ架台や取り付け方法も異なります。

また、少し角度が変わるだけで太陽光が当たる面積が変わり、発電効率に影響してきます。

そのため、架台の設置位置や角度、取り付け方法などは極めて重要なポイントです。

④ 太陽光パネルの設置

架台の設置が完了したら、いよいよ太陽光パネルの設置に入ります。

太陽光パネルは1枚あたりの面積が大きいため、設置の際にはゆがみが出て不安定になりがちです。

ボルトが完全に締まっていないなど取り付けが甘いと、突風などで太陽光パネルが吹き飛んでしまい、周囲の通行人や家屋に対して被害を与える可能性もあるため、極めて慎重で丁寧な作業が求められます。

⑤ 配線工事

太陽光パネルと周辺機器、そして電力を供給する現場までのルートを、配管内にケーブルを通して接続します。当然のことながら配線を間違えてしまうと重大な事故につながるおそれがあるため、配線の接続先に誤りがないよう慎重に確認しながら作業を進めます。また、機器同士の接続ケーブル以外にも、アースの配線工事も同時に行います。

⑥ 動作確認・検査

一連の設置・配線作業が完了したら、実際にシステムを稼働させて動作確認を行います。十分な電力が供給されているか、電圧は適性か、地絡(絶縁不良のため大地に電力が流れること)や短絡(電線が接触しショートすること)が発生していないか、その他不良がないかも含めて確認します。

 

以上が自家消費型太陽光発電のおおよその導入プロセスです。

 

3. 自家消費型太陽光発電を導入する場合の費用目安

 

工場や倉庫などに産業用の自家消費型太陽光発電設備を設置する場合、規模や設置方法によっても費用の目安は異なります。

平均的な費用としては20kW以下の小規模な発電設備を設置・導入する際には、400〜500万円程度の費用が目安とされています。

一方で、30kW程度の中規模な発電設備を設置する場合には800〜900万円程度、50kW以上の大規模な発電設備ともなると、1,500万円以上のコストがかかります。

太陽光発電設備設置の費用は、一般的に1kWあたり30万円程度が相場とされているため、上記の金額も参考にしながら実際に業者に依頼し、見積もりをとって比較してみましょう。

ちなみに、産業用の自家消費型太陽光発電設備を導入すると、さまざまな補助金の支給対象となる場合があります。

これらをうまく組み合わせて活用することで、導入コストの大幅低減にもつながるはずです。

 

4.自社に合った自家消費型太陽光発電の導入を検討してみよう

 

自家消費型太陽光発電は企業のランニングコストの節約はもちろん、CO2削減やBCP対策の一環としても有効なシステムです。

しかし、工場や倉庫など、実際に電気を使用する場所に応じても最適な発電規模は異なります。

 

まずは今回紹介したように、専門業者に依頼し、現地調査を行い最適な導入規模や設置方法などを提案してもらうのがおすすめです。