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太陽光発電導入で中小企業が利用できる税制

更新日:2021.05.18

SDGs・脱炭素

節税
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太陽光発電設備を設置することによって自家発電をして電力供給をするのは光熱費の削減につながるだけでなく、税制的にも優遇を受けられる魅力があります。

自家消費をする仕組みを作ると災害対策にもなることから企業の事業継続にも役に立つでしょう。

この記事では中小企業にとって税制面でどのような魅力があるのかを幅広く解説します。

 

1太陽光発電導入で中小企業が利用できる税制

令和に入ってから中小企業の経営を強化促進するための対応が国を挙げて実施されています。

特に太陽光発電の導入をした際に税制面で受けられる優遇措置としては以下の三つが代表的です。


中小企業等経営強化法に基づく支援措置


中小企業経営強化税制と呼ばれる税制の優遇措置で、以下で詳しく紹介します。

基本的には中小企業の設備投資を支援するための制度で、生産性や効率の向上によって企業の経営力を引き上げる機会を与えるのが目的です。

税額控除または即時償却ができるようになっています。

令和3年3月末日までの実施予定ですが、延長もされてきているので今後も利用できる可能性があります。


再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置


太陽光発電のように再生可能エネルギーの発電設備を設置した際に適用できる特例措置です。

課税期間17年間のうちで3年間について償却資産税対象標準額を引き下げることができます。

軽減税率は1MW未満なら三分の二、1MW以上なら四分の三です。

ただし、全量を売電する場合には適用外になります。

この特例措置も延長されてきていて、令和5年3月末日まで適用可能です。


『生産性向上特別措置法案』に基づく固定資産税の特例措置


中小企業において生産性向上を目指す設備投資について固定資産税の軽減をする特例措置です。

償却資産の固定資産税の課税標準について3年間にわたって1/2以上の軽減を受けられるのが特徴です。

市区町村によって軽減税率が任意に定められるようになっているため、優遇の内容は個別に確認する必要があります。

この特例措置は令和4年3月末日までの適用予定です。

 

2中小企業等経営強化に基づく法支援措置

 

太陽光発電の税制面のメリットとしてよく着目されているのが中小企業等経営強化です。

中小企業等経営強化についてもう少し詳しく見ていきましょう。


2−1太陽光発電で利用できる中小企業経営強化税制


中小企業等経営強化は太陽光発電に限らず、中小企業が設備投資をして生産性の向上や収益の強化を目指す際に幅広く適用できる税制です。

生産性向上を目指すA類型と、収益強化を目的とするB類型に分類されていてどちらでも申請できます。

太陽光発電設備を設置した際には税制控除と即時償却のどちらかから税制的な優遇措置の内容を選択することが可能です。


税額控除


中小企業等経営強化における税額控除は最大で設備取得価格の10%が税金から直接控除されるのがメリットです。

資本金が3000万円以下の法人と個人事業主は10%、資本金が3000万円を超えて1億円以下の法人は7%の控除率になっています。

どのような経営状況であっても税を納めている限りは優遇を受けられる点で魅力があります。


即時償却


固定資産を取得した場合には法定耐用年数に基づいて減価償却をしなければならないのが原則です。

しかし、中小企業等経営強化における即時償却を選んだ場合には全額をまとめて経費に計上できます。

太陽光発電設備は17年の耐用年数があるので、17倍の経費をまとめて計上できるのは大きな節税につながります。


2−2対象外となるケース


太陽光発電設備の導入のときに中小企業等経営強化税制を適用できるかどうかは状況によって異なります。

以下のいずれかに該当するときには対象外となるので注意しましょう。


中小企業か個人事業主に該当しない


中小企業等経営強化は中小企業と個人事業主にしか適用されません。

法人格の場合には資本金が1億円未満で、常時使用する従業員が1,000人未満という条件を満たさなければならないのが原則です。また、大規模法人からの出資を受けているケースでは中小企業と見なされない場合があります。

同一の大規模法人から2分の1以上、あるいは2つ以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受けている場合には優遇税制の対象外です。


指定事業に該当していない


中小企業等経営強化は対象事業を指定しているため、該当しない場合には優遇税制を適用できません。

適用外になる例として電気業や水道業、銀行業や娯楽業が挙げられます。

インフラを担う企業は基本的に該当せず、娯楽業も映画を除くと太陽光発電設備を導入しても適用を受けられません。

また、電気業が適用外となっていることから、全量を売電するケースでは優遇を受けられないので注意しましょう。


青色申告をしていない


青色申告事業者に対して適用されるのが中小企業等経営強化の特徴です。

白色申告の場合には適用されず、過去に税務署に青色申告をして受理されていることが求められます。


対象設備の要件を満たしていない


中小企業等経営強化では導入する設備に対して要件を求めています。
生産性向上設備のA類型では、設備導入前の生産モデルに比べて導入後のモデルで年平均1%以上の生産性向上を見込める160万円以上の設備というのが条件です。

収益力強化設備のB類型では、投資収益率が年平均5%以上の投資計画に基づいている160万円以上の設備が該当します。


2−3設備の取得時期にも注意


中小企業等経営強化税制を適用するためには計画を提出して認定を受けた後で設備を取得するのが基本です。

設備取得後に申請する場合には取得日から60日以内に計画が受理されることが必要になります。

優遇税制を受けるには適用期間内に認定を受けることが必須です。

ただ、設備を取得した翌年度になってしまうと認定を受けることはできません。

年度末に近づいてから設備を導入すると適用が困難になる可能性が高いので注意が必要です。

 

3自家消費太陽光発電で使える主な補助金

 

中小企業が自家消費の目的で太陽光発電設備を導入するときには補助金制度を活用できます。

太陽光発電設備そのものだけでなく、再生可能エネルギーや脱炭素化といった環境に関連する取り組みを支援する補助金事業は利用できる可能性があります。代表的なものは以下の補助金制度です。

・ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
・再エネの価格低減に向けた新手法による再エネ導入事業
・工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業
・建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業

環境省が中心となっている事業が大半を占めています。

環境問題への取り組みはSDGsに向けて必要性が高まっていることから、近年では活発に実施されている傾向があります。

 

まとめ:中小企業は太陽光発電設備の導入を検討しよう

 

中小企業にとって経営力や収益力の強化は大きな課題です。

太陽光発電設備の導入はインフラの安定を図ることができる魅力があるだけでなく、税制の優遇措置や補助金制度によって導入しやすいメリットがあります。

社会的に再生可能エネルギーが着目されている時代の状況を加味して、有利な条件で導入できるように早めに検討を進めましょう。

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