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【自家費型太陽光発電】どっちがお得?自己所有型とPPAモデルの違いを徹底解説

更新日:2022.01.15

SDGs・脱炭素

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地球環境保護が大きな社会課題として叫ばれている現在、再生可能エネルギーの発電に取り組む企業や一般家庭が増えています。一口に再生可能エネルギーといってもさまざまなものがありますが、なかでも急速に普及し始めているのが太陽光発電です。

数年前までは、発電した再生可能エネルギーを電力会社へ販売し利益を得るというビジネスモデルが注目されていましたが、買取価格の下落に伴い、自家消費型に移行する事業者が増えています。

自家消費型太陽光発電は、大きく分けて「自己所有型」と「PPAモデル」という2種類が存在しますが、どちらがお得なのでしょうか。今回は両者の違いを詳しく紹介するとともに、メリット・デメリットも比較しながら徹底解説します。

 

 

自己所有型とPPAモデルの違い

冒頭でも紹介したとおり、自家消費型太陽光発電には自己所有型とPPAモデルという2つの方法があります。両者はどのような仕組みなのか、基礎知識として押さえておきたい概略を紹介しましょう。

 

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自己所有型とは

自己所有型とは、その名の通り太陽光発電設備を自前で用意する方法です。太陽光発電設備には、太陽光パネルはもちろんパワーコンディショナーや蓄電池、キュービクルといったさまざまな機器を揃える必要があります。

これらを自前で購入し維持していくのが自己所有型とよばれる方法です。太陽光発電設備を設置する場所は、自社のオフィス屋上や工場の屋根、使用していない土地などを活用する場合もあれば、土地を借りて太陽光発電設備を設置する場合もあります。

また、自己所有型の場合は所有者がオーナー自身のため、定期的なメンテナンスや修理にかかる費用なども発生します。発電規模によっても金額は異なりますが、高額な初期費用と設備維持費がかかる一方で、設置した太陽光発電設備で発電された電力はオーナー自身が自由に利用できます。

ちなみに、自己所有型の場合、初期費用として莫大な出費がかかるため、自治体によってはさまざまな補助金や税制優遇を受けられる場合もあります。

発電規模や業種、使用する電力の用途などによっても補助金や税制優遇の内容は異なり、条件次第では複数の制度を併用できることもあるため事前に確認しておきましょう。

 

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PPAモデルとは

PPAモデルとは、別名「第三者所有」とよばれることもあり、その名の通りオーナー自身ではなくPPA事業者とよばれる第三者に設置スペースを提供する方法です。たとえば、十分な設置場所は確保できるにもかかわらず、導入コストや維持費の問題で自家消費型太陽光発電の導入が難しいと考える企業も少なくありません。

そこで、屋根や屋上、土地などをPPA事業者へ提供し、無償で太陽光発電設備を設置してもらいます。そして、太陽光発電設備で発電された電力は建物や土地のオーナーが利用し、自家消費分としてPPA事業者へ料金を支払うという仕組みです。

なお、PPAモデルは一定期間の契約期間が定められることが多く、それ以降は発電設備一式の所有権がPPA事業者からオーナーへ移行し、自社で維持・管理することも可能です。

自己所有型とPPAモデルの違い一覧

自己所有型とPPAモデルの違いを簡単に表すと、以下の表にまとめることができます。

 

自己所有型

PPAモデル

太陽光発電設備の所有者

自社

PPA事業者(自社所有ではない)

設置費用

全額自社負担

PPA事業者が全額負担

設備維持費

全額自社負担

PPA事業者が全額負担

電気代

発電した分は無料

PPA事業者へ使用分を支払い

補助金・優遇税制

条件次第で適用可

不適用

期間

5~15年で投資分を回収

15~20年の長期契約

 

自己所有型のメリット・デメリット

 

自己所有型の太陽光発電設備を導入する場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれのポイントを整理しながら解説しましょう。

 

 

メリット

ランニングコストの節約になる

自己所有型の場合、発電した電力はすべてオーナー自身が自由に利用できます。発電規模にもよりますが、十分な量の電力を賄うことができれば従来のように電力会社から電力を購入する必要がなくなり、ランニングコストの節約に貢献できるでしょう。

節税効果が見込める

導入した太陽光発電設備は建物の設備として見なされるため、経費として計上し一定期間での減価償却が可能です。そのため、節税効果が期待できるでしょう。

デメリット

初期投資が高額

太陽光発電設備の規模によっても初期費用は異なりますが、比較的小規模な設備であっても事業用となると数百万円単位での出費となるケースがほとんどです。

資金に余裕のある企業であれば問題ありませんが、中小企業やベンチャー企業などのなかには、初期費用がネックとなり導入を断念せざるを得ないケースも想定されます。

定期的なメンテナンスが必要

太陽光発電設備は、屋根や屋上、地上へ設置したからといって終わりではありません。太陽光パネル表面の清掃や雑草の駆除など、定期的なメンテナンスは不可欠であり、これらを怠っていると発電効率が低下する場合もあります。

また、落雷や強風、飛来物などによって設備が故障するリスクもあり、修理に多額のコストがかかってしまいます。

 

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PPAモデルのメリット・デメリット

PPAモデルの場合、自己所有型と比較してどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。こちらもポイントを整理しながら解説します。

メリット

初期投資が不要

PPAモデルの最大のメリットは、発電設備の導入にかかるコストが不要であることです。たとえば、SDGsの一環として太陽光発電設備を導入し、環境配慮型の経営に取り組みたいと考える企業も少なくありません。

資金力に乏しい企業であっても、自社ビルの屋上や屋根上、空き地などのスペースを貸し出すことにより、初期費用をかけることなく太陽光発電設備の導入が可能です。

メンテナンスが不要

自己所有型の場合、初期費用の問題だけでなく、定期的なメンテナンスが難しいために導入を断念せざるを得ないケースも多いでしょう。

PPAモデルの場合、機器の設置だけでなく、清掃や点検、修理といったメンテナンス全般もPPA事業者側で負担するため、安心して導入できます。

経理の手間が少ない

自己所有型の場合、節税効果が見込めることはメリットである一方、減価償却費として計上するために経理の手間がかかってしまいます。しかし、PPAモデルの場合、太陽光発電設備は自社が保有するものではないため、経理における手間がかかりません。

デメリット

長期契約が必要

PPAモデルの場合、事業者との契約内容によっても多少異なりますが、15年以上の長期にわたる契約を結ぶ必要があります。この間、途中での解約はできず、もし建物の取り壊しや移転などが決定した場合、PPA事業者との交渉が必要になります。

場合によっては違約金などが請求となるケースも考えられるため、長期契約のリスクを十分理解したうえで契約を締結するようにしましょう。

契約期間終了後に維持費がかかる

一定の契約期間が終了した後は、それまで使用してきた太陽光発電設備は建物や土地のオーナーに譲渡されるケースもあります。

ただし、長期間にわたって稼働してきた太陽光発電設備は、修理やパーツの交換が必要なケースも少なくありません。設備そのものを撤去・処分するにもコストがかかるため、契約期間終了後も見据えたうえで契約を結ぶことが重要です。

手軽に再生可能エネルギーを活用したい場合にはPPAモデルがおすすめ

今回紹介してきたように、自己所有型の太陽光発電設備は電気代を自前で賄えるものの、設備一式を導入するための初期費用やメンテナンスにかかるコストも自己負担しなければなりません。

これに対し、PPAモデルはPPA事業者へ電気代を支払う必要があるものの、初期費用やメンテナンスコストが一切かからず、手軽に再生可能エネルギーを利用できるメリットがあります。

SDGsの一環として、事業に活用する電力に再生可能エネルギーを採用したいと考える企業が増えていますが、そのような場合にPPAモデルは最適な選択肢といえるのではないでしょうか。